ココシャネルのジャケット

誰にでも大切な一枚があるはず。

その大切な一枚が受け継がれて、更に世代を越えて大事にされていくことは、その時代に愛用した主の物語も一緒に、また新しい時代の主へのパスが行われるような気がします。

大事な家族から譲りうける場合もあれば、これまで依頼を受けてきたものの中には義理のお祖母さまだったり、そのパスは色々なところからご縁をもってもたらされるよう。人も洋服ともご縁で結びつくような気がして、様々なストーリーを持ちながら、

新しい主の元へやってきたそれ等のもの。

本当にたくさんのご依頼をいただきますが、やはり新しい主はその物語をちゃんと引き継いで更に大切にしようと思っていらっしゃる方ばかり。いくらでも買い替え可能な時代であるからこそ、受け継ぐくらい大事な服、そうしたいくらいの服というのは素敵。

その思いに応えたいなといつも思います。

今回の依頼はお母様からのCHANELジャケット。お聞きすれば40年前のココシャネルデザインのもので、幾度かお召しになっていたそうですが、このたび、お嬢様が一緒に着たい!との依頼を受けて、兼用できるようによりコンパクトにお直しして欲しいとの依頼。

本格的なヴィンテージでもあり、「適当なお店には出せないのでしっかり吟味して探しました」とご依頼頂きました。そのようなお言葉を度々いただけます事も、ありがたいことです。

40年経過しているものだとは思えないしっかりとしたシルエットは勿論、しし座の女シャネルが大好きで、好んで使っていたといわれるしし座のボタンもとてもよい感じでヴィンテージのよさを出しています。今回コンパクトにCHANELのように、両腕にバングルをつけて着用したい!!との依頼も含めて、袖丈も短めにします。

裾まくれ防止と背中のシルエットが美しくみえるための裾のチェーンも珍しいゴールドでした。

親子3代で大切にされるジャケット、それだけでも素敵。40年という時代を経ても尚、多少の毛羽立ちは(当たり前かと思います)あっても、シルエットは美しいままでした。

CHANELのお直しのお問い合わせも多数いただきますが、特にこのヴィンテージの場合、お直しの際にも簡単にパターンを壊すことが出来ないような仕掛けがあり、この状態で着て!といわんばかりのさすがCHANELというような見えない細部に自信が みなぎっているのも特徴。

だからこそ、シャネルのお直しは誰もができないのだな~と納得いたします。

 

受け継がれる大切なものを、新しい主の気に入るように、サイズに合わせて、再生させて

また新しい時代を重ねてお洒落物語をつむいでいけるように今回も素敵に変身させていただきます!当店のママレトロメニューは私自身が思っていたよりも必要なメニューだったようで

改めて作成してよかったなと思います。といいますのも、こうして洋服を通してお聞きする其々の物語はとても素敵なものがたくさんあり、家族の思い出にもほんの少しでも貢献できているなんて何だか嬉しいことです。

また新しい物語も楽しみ。

そしてシャネルのパワーもまた圧倒的で、女性を魅了し続けているといっても過言でなく。笑。

 

 

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