リバーシブル仕立て

どんなに品物がいい、素材はいい!といえど、自分のサイズに合わないものは

やっぱり着にくい。

こちらのお客様Yさんも、色が気に入って購入したものの、なんだか自分のイメージどおりに着られないのだとおしゃって、ずっとしまいこんでいたジャケットをお持ちくださいました。それもそのはず、フィッティングしてみれば肩も両肩で4センチ以上は大きくて腕の幅も大分広めでした。

おっしゃるイメージとは、着られた感じというのか、気負いなくさらっとパンツにも、ワンピースにもスカートにも合わせて気軽に着たい体にフィットしたもの。それにはちょっと無理のある2サイズくらい大きめでした。腕もあわなくて全体的にジャケットに着られたように見えてしまう状態でした。

定番というものが沢山あるのは事実ですが、そういう定番といわれるものでも10年以上の月日を経れば、やはりどこもかしこも大きいような・・

今自分の持っているものに合わせて着るには、ちょっと・・・ということでせっかくの一枚仕立てのリバーシブルジャケット、体型にあったものに変身させるべく肩幅、腕幅、身幅と大お直しを決行。

リバーシブル仕立てとは、文字通り裏も表も同じ縫い目でできており、表も裏も同じ顔?とでもいうのか縫い目がずれてしまったらアウト。手縫いで一針一針調整しながらのお直し。とても手間隙のかかるお直しでもあります。もちろんサイズも調整していくというのも同時に行いますのでかなりの技術力も必要とされます。

このように一旦解いて、また縫い合わせてと繰り返していきます。夏の間にお預かりしていたので、肌寒くなる前に綺麗に出来上がり、ご依頼のYさんも大喜びの出来上がりとなりました

肩も脇も腕幅も綺麗にYさんの体型になじんでいます。たまたまこの日はまだジャケットは要らないかなとブラウスにて来店のYさんでしたが、思わずそのまま着て帰ってもいいほど色合いもぴったりのコーディネートだったので、そのまま着て帰ります!と大興奮でした。笑。

新妻のYさん、このまま着て帰ってみると、だんな様から新品みたいだね、

といわれたのだそうです。こうして体型にあったものを着ることについては、”着心地もまったく違うものだ”と実感されたと、このお直しの感想もいただいております。

そちらはこちらから。

色が気に入っていても、それだけでは洋服を着るには・・・難しいことがありますがサイズが伴えば、きっと大活躍間違いない!ご様子に、喜んでいいただけてうれしく思います。

 

 

肩の力をそっと抜いて・・

肩で風を切って歩く!などという言葉もありますが、洋服の場合に肩とはなんともサイズの見た目が左右される箇所でもあります。

男性、女性問わず、ジャケットなどでも肩幅が大きいとなんとなく着られた感じが出やすく、その場合に肩パッドなど入っていれば尚更、肩への視線は集中しやすい。何よりも自身が気になってしまうとまた、着ない理由にもつながるところ。(もちろんパッドありのほうがいいアイテムも存在します)

この数年あえて肩を強調したデザインもあり、そのデザイン性を楽しめればOKともいえるのでしょうが、骨格とのバランスによっても強調したことがよいほうに出る場合と、残念ながら着こなしにくい・・ということもありえます。このジャケットもあえて肩を吊がね型にしっかり上昇しておりましたが、若干碇型の肩を持つ人が着ると、なんとも強そうな肩になりすぎる・・少し肩の力を抜くべく?しっかりと肩をあげているパッド様を取り外すことにしました。

え、肩パッドが入っていたのは昔なのでは!?というわけでもなく最近やっと日本上陸のこちらのイザベルマランのものでも、しっかりとしたソレが入っておりました。時にシルエットとして薄いものが入っていたほうが綺麗な場面もあるのですが、今回はあえて無くしてみたほうが着易い?

と確実にそのほうが着る機会が増えるに違いないと、フラットな肩にして少し肩幅も小さくしてもらい、気負わずに、軽く羽織れるジャケットに変身させてもらいました。

おお、想像より厚い!

意外と分厚いこんなパットさんが出てきました。

デザインの大幅な変更は時としてシルエットを見間違えれば、NO!なのでしょうが、はじめの段階からその部分が気になってしまっている場合には、ご本人の意思を尊重してそしてデザイナーの意図も壊さないで、その人なりに着こなせるようにする。それによって、BeforeよりもっとAfterが、着こなしやすく愛情がもてれば、結果よし。

このシルエットを見間違えないというのがお直しの最大のポイントではないかとも思います。

これが見れたら誰も失敗しないのでは?と思うところでもありますが・・

この場合の見間違えないように!のためにレギュイドールではお一人お一人のシルエットを丁寧に拝見してお直しサポートいたします。これはレギュイドールの特権?ともいえるサービスでもあります。自己判断で丈をカットし、形を変えてかえってやらなきゃよかった、というのではもったいない。

よく以前に直したものの着ていない、失敗してしまった、なんだかよくなっていないとかそんな事もお聞きする場面も多く、確かに自分で自分のシルエットを全体的に見るって本当には大変なことですよね。

ほんの少しの調整が格段に、そのアイテムを着易くするということを、

また今回も確信しながら

やっぱり(この場合のパッド)無くしてよかった。

分厚いパットちゃんさようなら!こちらのほうがかる~く風をきれる感じです。

肩に力を入れているとなんだかスムーズに行かないことも多いけれど、力みを

とったらなんだか快適です。それって、洋服に限らず?笑。